夏の名宝展2024 涼をもとめて ー清方と祥啓・水辺の叙景ー

今年も暑い暑い夏がやってきました。観音ミュージアムでは、館蔵の名宝のなかから、この季節にふさわしい水辺の景観を描いた日本画・仏画をご覧いただきます。近代化が進む大正・昭和期に、失われゆく江戸情緒を描いた鏑木清方の『真﨑祠前写景』。そして、「啓書記」の異称でも知られる建長寺の画僧で、雪舟・雪村と並び称せられる室町水墨画壇の巨匠、賢江祥啓の作と伝わる『よう龍観音図(瀧見観音)』。近代日本画と中世水墨画という異なる技法・形式で描かれた両作ですが、いずれも水辺に心を遊ばせるよろこびを感じさせてくれます。毎年のように猛暑記録が更新されていくなか、百年前の東京、そして五百年前の鎌倉の夏に想いを馳せ、昔日の風物のなかに涼をもとめるひとときを観音ミュージアムでお過ごしください。このほか、棟方志功・富岡鉄斎・谷文晁ら、近世・近現代の巨匠たちのそれぞれの「夏」を感じさせる名品も登場します。