春の名宝展では、お彼岸の季節にちなんで、長谷寺に伝わるお地蔵さまと阿弥陀さまの仏像・仏画をご覧いただきます。もともと「お彼岸」とは、「此岸(こちら側の岸=現世あるいは輪廻の世界)の向こう岸にある世界」の意で、悟りを得た魂が赴く浄土を指しています。本展では、わたしたちを「彼岸」に導いてくださる仏さまをご紹介します。
お釈迦さまが入滅した後の無仏の世で、六道の衆生を救う地蔵菩薩。錫杖を携えたそのお姿は、観音信仰と結びつき、長谷観音の像容にも影響を与えたと考えられています。
そして、西方浄土の教主、阿弥陀如来。観音菩薩と勢至菩薩を従えた阿弥陀三尊の主尊でもあり、極楽往生を願う多くの人たちに救済の希望を与えてきました。
花匂う長谷寺の境内で、浄土の世界にしばし思いを馳せてみてください。