夏休み特集展示 かのんちゃんと行く 地獄極楽めぐり旅2023

亡くなった人の魂が還ってくるという、お盆。

夏に祖先の霊を祀る日本古来の習俗と、仏教伝来とともに伝わった年中行事である盂蘭盆会(うらぼんえ)が融合して、真夏の暑い時期に亡き人を偲ぶという日本の夏の原風景が形成された、と考えられています。
仏教寺院では、この季節に地獄極楽の絵解きがさかんに行われました。それは、人々が死後の世界に対する素朴な恐怖心をきっかけに菩提の道へ進むようにとねがう、民衆教化の方便でもありましたが、同時に目に見えない世界への想像力や畏敬の念を養う場としても機能していたことでしょう。

本展では、7月生まれの観音ミュージアムのイメージキャラクター「かのんちゃん」を案内役として、長谷寺が所蔵する十王図(江戸時代)をはじめ、地獄極楽にちなんだ仏画・仏像を公開いたします。かつて日本の津々浦々で行われていた絵解きの風景を思い描きながら、現当二世(現世と当来世=死後の世界)の救いを求めて観音さまのもとに集った人々の息吹を伝える、祈りの遺産に触れてみてください。