幕末の日本に生まれ、浄土宗の改革者として活躍した山崎辨榮上人(1859-1920)。念仏者としての辨榮上人は、法然上人(1133-1212)の流れを汲む専修念仏の徹底した実践者であり、他方では近代の黎明を生きた宗教者・思想家として、浄土教学のみならず原始仏教やキリスト教、西洋哲学からも真理を受容し、人間の宗教的感情の根源である「霊性」を深く探究されました。上人の思想はやがて光明主義として結実し、時代の転換期を生きる多くの人々を照らす光となりました。
本展では、鎌倉在住の方の御遺族より御寄贈頂いた辨榮上人の書と仏画を、新収蔵品展として公開いたします。貴重な書画が世に散逸し行方知れずにならぬよう願い、信仰のあらわれとして蒐集されたものです。上人没後100年あまりを経たいまも燦然と輝く「光明の巨人」の息吹を感じていただければ幸いです。
※本展は3期に分けて、展示作品の入れ替えを行います。期間ごとの展示作品の詳細は、下記リンク先の出品リストをご覧ください。