2015年10月にリニューアルオープンした観音ミュージアムでは、「長谷寺・仏教美術の至宝」と題し、これまで3回の収蔵品展を開催してきました。本展はその第4弾にして完結篇となるもので、境内から出土した考古資料を展観するものです。
1923年の関東大震災で被災した観音堂は、戦中・戦後の困難な時期にもかかわらず復興造営が続けられ、それに伴い境内の発掘調査もおこなわれたことで、新たな考古学・歴史学上の発見が相次ぎました。戦時下の1943年に出土した大型板碑(鎌倉市指定文化財・旧重要美術品)や、戦後に出土した火葬骨、さらに平成の調査で発掘された鎌倉開府以前にさかのぼる土器類など、観音霊場として知られる長谷の地が、往古から人々の生活と祈りの場として機能していたことを示す資料群を総覧します。