学芸員によるミュージアムトーク【3月の開催日程】

展示の見どころを当館の学芸員がわかりやすく解説します。
参加を希望される方は、14時までに観音ミュージアムにお越しください。
皆様のご来館をお待ちしております。

【ミュージアムトーク開催日】
3月3日  (土) 14時~

3月10日(土) 14時~

3月17日(土) 14時~

3月24日(土) 14時~

3月31日(土) 14時~

各回30分程度

※都合により中止となる場合があります。

特集展「雪山(せっせん)の国のみほとけ ― チベット・ネパールの現代仏画 ―」

長谷寺が所蔵するチベット・ネパール仏画の名品を公開します。日本ではまだなじみが薄いチベット美術ですが、観音菩薩をはじめ、日本人にも親しみやすいみほとけも多く登場します。精緻な描写と美麗な色彩の世界をお楽しみください。

《ターラー菩薩》
《ターラー菩薩》

「世界の屋根」ヒマラヤ山脈(漢訳仏典では「雪山(せっせん)」)のふところに抱かれた高原の国、チベット。

中国経由で仏教を受容した日本とは異なり、インド仏教を直接受容したこの地域では、日本仏教とは異なる教義や尊格が発達しました。他方、その歴史をたどってみると、日本との共通点も多いことがわかります。日本に仏教が伝来したのは6世紀頃ですが、チベットにもほぼ同時期に仏教が伝わり、どちらも7世紀には仏教を柱とする国づくりに着手しました。チベットでは、仏教は土着の信仰であるボン教と融合しながら独自の教義を発達させましたが、これは日本における神仏習合に比することができるでしょう。また、チベット仏教と日本仏教は、いずれもあまねく衆生(しゅじょう)の救済をめざす大乗仏教の系統に属しており、慈悲のみほとけ・観音菩薩への信仰が両地域に広まったことは決して偶然ではありません。

 

《聖観音曼荼羅》
《聖観音曼荼羅》

本展の中心となるのは、観音菩薩を主尊とする大曼荼羅をはじめ、チベット仏画の伝統を継承するネパールの現代画家たちの作品です。また、近年のグローバル化を物語る日本の仏画風のタンカや、観音信仰の普遍性を示す近世の版画作品など、日本とチベット・ネパールの近さ、親しさを感じることができる資料を展示します。国境を越える観音信仰の「いま」をご体感ください。

*会期中にご来館いただいた方に、当館オリジナルの「まんだら塗り絵」をプレゼントいたします。

*2015年に発生したネパール大地震復興支援のための募金活動を行います。ご理解とご協力をお願い申し上げます。